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日別アーカイブ: 2026年10月23日

和昇のよもやま話~チームで働くうえで大切な“引き継ぎ”~

皆さんこんにちは!

株式会社和昇です。

 

~チームで働くうえで大切な“引き継ぎ”~

 

宮大工の仕事は、一人の職人だけで完成するものではありません。

棟梁。

大工。

若手職人。

屋根に関わる職人。

建具。

左官。

さまざまな人が関わりながら一つの建物をつくり、修繕していきます。

特に寺社建築では、建物の形や納まりが複雑になることも多く、職人同士の情報共有が非常に重要です。

そこで大切になるのが「引き継ぎ」です。✅

どの部材を残すのか。

どこまで加工したのか。

なぜこの納まりになっているのか。

どこに注意する必要があるのか。

単に作業を次の人へ渡すのではなく、考え方までつなぐことが求められます。

まずは建物全体の方針を共有する

修繕工事を始める前には、

どこを直すのか。

どこを残すのか。

どの部分が重要なのか。

チーム全体で確認します。✅

一人は保存するつもり。

別の人は交換するつもり。

認識が違っていれば、大切な部材を失ってしまう可能性があります。⚠

だからこそ、

この柱は残す。

ここは交換する。

この部材は一度外して再使用する。

方針を明確にします。

既存材の状態を引き継ぐ

古い建物を解体・修繕していると、

この木材はまだ使える。

一部分だけ傷んでいる。

内部まで傷みが進んでいる。

さまざまな状態があります。

最初に確認した職人が、その情報を次の工程へつなぎます。✅

「見れば分かる」

ではなく、

どこに傷みがあったのか。

どこを補修したのか。

どこを注意して扱うのか。

具体的に伝えることが大切です。

取り外した部材の位置を分かるようにする

修繕工事では、既存の木材を一度取り外し、再び使用することがあります。♻

その際に重要なのが、

どこに付いていた部材なのか。

どちら向きなのか。

何と組み合わさっていたのか。

分かる状態にすることです。

似た形の部材が複数ある場合、置いてあるだけでは判断しにくくなることがあります。

必要に応じて印や記録を残し、次の人が迷わないようにします。✅

墨付けの情報を正確につなぐ

宮大工工事では、木材へ加工位置を示す墨付けが重要になります。

一本の線にも意味があります。

切る位置。

組む位置。

加工する方向。

その情報を間違えれば、材料を使えなくしてしまう可能性があります。⚠

そのため、

どの部材なのか。

向きは正しいか。

寸法は合っているか。

確認してから加工します。

加工担当が変わる場合でも、判断に迷わない情報を残すことが大切です。

“なぜこの加工なのか”まで伝える

伝統的な木組みには、それぞれ理由があります。

この形に加工する。

この向きに組む。

ここへ少し余裕を持たせる。

単に形をまねするだけでは、本当の技術は受け継がれません。

若手へ伝えるときには、

「ここをこう削る」

だけではなく、

「なぜこうするのか」

まで説明することが重要です。✅

考え方を理解することで、別の現場でも自分で判断できる職人へ成長します。

柱や梁の向きを共有する

木材には一本ごとに特徴があります。

木目。

反り。

見え方。

どの面を表へ出すのか。

どの方向へ使用するのか。

事前に考えて材料を配置します。

その判断をした職人だけが知っている状態ではいけません。

部材の向きや使用場所を共有し、施工時に間違えないようにします。✅

仮組みで分かったことを伝える

加工した部材を仮に組み合わせることで、

少しきつい。

隙間がある。

調整が必要。

実際に合わせて初めて分かることがあります。

その場で調整した内容を、

誰が。

どこを。

どの程度。

変更したのか。

次工程へ伝えます。✅

完成時には見えなくなる部分ほど、途中の情報共有が重要です。

解体時の発見を残す

古い建物を修繕する際には、解体中に新しい発見があります。

昔の加工跡。

過去の修理。

想定とは違う組み方。

内部の傷み。

それらは施工方法を考えるための大切な情報です。

「外したら違っていた」

で終わらせず、写真や記録を残します。✅

元の姿を確認できる状態にしておくことで、復旧するときにも役立ちます。

写真で残すことの重要性

複雑な木組みでは、文章だけでは伝えにくいことがあります。

外す前。

外した直後。

加工途中。

組み立て後。

必要な場面で写真を残します。✅

特に何日か後に復旧する場合、

写真を見ることで元の状態を思い出せることがあります。

職人の記憶だけに頼らないことも、良い引き継ぎです。

屋根まわりの状態を共有する

寺社建築では屋根や軒まわりが複雑なことがあります。

解体すると、

予想以上に木部が傷んでいる。

雨の影響が見られる。

別の場所にも補修が必要。

気づく場合があります。☔

その情報を大工だけで止めず、必要な担当者へ共有します。

建物全体で考えることが大切です。✅

他業種との連携

宮大工工事では、

屋根。

左官。

建具。

板金。

さまざまな専門職と一緒に仕事を進める場合があります。

自分たちの作業が終わらないと次の人が入れない。

反対に、他業種の施工を待つ必要がある。

工程がつながっています。

どこまで進んでいるのか。

次に誰が入るのか。

確認しながら施工します。✅

変更内容を全員で共有する

工事途中に、

この部分は残すことになった。

補修方法を変更した。

追加工事が必要になった。

変更が発生することがあります。

その情報が一部の職人だけに伝わっていると、古い指示のまま作業してしまう可能性があります。⚠

変更した内容ほど早めに共有することが重要です。

工具の状態も引き継ぐ

宮大工は、

のみ。

かんな。

のこぎり。

さまざまな道具を使います。⚒

共同で使用する機械や工具に、

刃が傷んでいる。

調整が必要。

違和感がある。

気づいた場合には次の人へ伝えます。

良い加工をするためには、道具の状態も大切です。✅

材料の保管状態

木材は現場へ置いている間も状態管理が必要です。

雨に濡れない場所。

作業の邪魔にならない場所。

必要な部材を取り出しやすい場所。

考えて保管します。☔

どの材料を次に使うのか。

どの材料は加工済みなのか。

分かるようにしておくことが、スムーズな施工につながります。✅

安全に関する引き継ぎ

寺社建築では、

高所。

足場。

大きな木材。

さまざまな危険があります。

「この場所は足元注意」

「この部材はまだ固定されていない」

「この場所で他業者が作業している」

安全情報は必ず共有します。⚠

作業の進捗よりも優先して伝えるべき情報です。

天候による現場状況

木工事では天候の影響を受ける場合があります。

前日に雨が降った。☔

足場が濡れている。

材料の搬入路が滑りやすい。

風が強い。⛈

前日の状態を次の職人へ伝えることで、安全な準備ができます。

その日の現場は、その日ごとに条件が違うことを意識します。

ミスを隠さない

寸法を間違えた。

加工を少し深くしてしまった。

組んだときに違和感がある。

そんなとき、隠したまま次工程へ進めると大きな問題になる可能性があります。⚠

早く報告する。

どう直すか考える。

必要なら作り直す。

職人として大切なのは、ミスをしないことだけではなく、問題が起きたときに正直に対応することです。✅

ベテランの感覚を言葉にする

宮大工の技術には、長い経験の中で身につくものがあります。

かんなをかけたときの感覚。

木の音。

刃物の入り方。

木目の見方。

ベテランは無意識に判断していることがあります。

しかし、

「感覚で分かる」

だけでは次の世代へ残りません。

何を見たのか。

なぜそう感じたのか。

できる限り言葉にして若手へ伝えることが大切です。✅

引き継ぎは“仕事”だけでなく“技術”をつなぐもの

一般的な現場でも引き継ぎは大切です。

しかし宮大工の世界では、もう一つ大切な役割があります。

技術を次の世代へつなぐことです。⭐

建物のつくり方。

木の見方。

道具の使い方。

現場での考え方。

先輩から後輩へ。

そしてその後輩が次の世代へ。

技術がつながることで、伝統建築を守り続けることができます。

これからも職人同士の声掛けと情報共有を大切にしながら、一つひとつの建物と技術を未来へ引き継いでいきたいと思います。✨